2009年12月30日

久しぶり!な『暮しの手帳』

子供の頃、近所の図書館に行くのが好きだった。
一日4冊しか借りられないんだけど、夏休みとかは朝一番に図書館で江戸川乱歩ものとかを四冊目一杯借りてきて、夕方までに全部読んで、また4冊借りたりした。

そんなわけで、その木造の図書館は自分の遊び場みたいなものだった。貸し出し担当のおじさんにはいつも可愛がってもらったし、ここで、いろんな本を、とりあえず物怖じせずに開いてみることを学んだ。
2階のものおきになっている部屋には、(たぶん昔貸し出ししていたんだろう)ドーナツ盤があって、古いフォークやクラシックがたくさんあったのを思い出す。

こんな場所で知り合ったのが『暮しの手帳』。小学生には縁のない話ばかりだったが、結構気にいって、いつも読んでいた。
最近はとんとご無沙汰だったのだけど、先日、静岡の伊勢丹裏の喫茶店「OAK」で再び出会った。





久しぶりに会った『暮しの手帳』は、もう活版印刷ではなくなっていたようだけど、そして内容も少しずつアップデートされてはいたけど、相変わらずの落ち着いた空気を閉じ込めていた。






表紙を開くと、冒頭が編み物特集。宮本三郎の油絵だ。
いきなりグッとくるなあ。






私は編み物は全然できないのだけれど、実家が毛糸を扱っていたので、こういう頁はツボだ。





こんなふうに、新型の洗濯物干し、みたいなちょっとした暮らしの知恵コラムも健在だし、、、、、






もちろん、ちょっと気を抜けばびしっと叱られる「教養」もある。
一流のレストランでは、予約していないと席が空いていても断られることがある、とチクリと刺したあとで、「自分の好き嫌いや、食事の目的を知らせるとお店側もやりやすい」という、とても実用的なアドバイスが続く。




感心したのはこのコラム。


しゃれた英語エッセイの翻訳では定評のある常盤新平さんだけど、、、



「料理や食事の英語が難しい。短い囲み記事なのだが、十回以上も辞書を引く」なんて書いてあって、常盤さんでもそうなんだ、、と、ちょっと安心したりする。






藤森さんの影絵の本。こうした色使いや造本は、はっきりと「暮らしの手帳」色があって、なつかしくも美しい。
(ふと思ったけど、この写真って、本を⇒雑誌のために撮影して⇒その頁を私が接写、という入れ子構造ですね。いや、余談でした)




でも、もちろん新陳代謝もあって。


あらら、近田春夫せんせいじゃありませんか。

うーん、暮しの手帳、侮るべからず!
  


Posted by しぞーか式。 at 16:55Comments(0)しぞーかに暮らす