2010年05月29日

まよなかのほんやさん

昨日、草薙の戸田書店が今月で閉店することを書いた。

この情報を知るそもそものきっかけは、私が愛読している平野雅彦さんのサイト『平野雅彦なら、こう考える』の「脳内探訪」でのこんな告知。
静岡で始まった新しい動きなので、なんとか空気にだけでも触れたい・・・のだけれど、その日は出張で結局22時過ぎに静岡到着。まあ、30分ぐらいでも見られればいいや、と思って、とりあえず草薙の戸田書店に到着したのが22時30分。

絵本コーナーでの坐講が終わって、書店の棚めぐりツアーがまさに始まろうというタイミングだった。
昨日アップした戸田書店の天井や壁の写真は、実はこのとき撮ったものだ。



というわけで、夜もふけて、本来ならしまっているはずの書棚の周りを、講師たちの話を聞きながら参加者がとりかこむ。この日は本当に終わりの部分しか聞けていないので私には書く資格がないかもしれないけど、それでも面白かった断片をいくつかメモしておこう。


書店店長の市原健太さんの、「雑誌は客の視線を誘導するように並べる」「本は30冊ぐらいのかたまりとして見ている」という視点。

本の分類記号の話。
本の分類記号は、図書館でよく見る分類方法のほかにもたくさんあるということ。たとえば、本の裏表紙に印刷されている、C+4ケタの数字。これも分類記号なんだとか。
そして、本の分類は当然内容によるもの、となんとなく思ってきたのだけど、実は出版社の「この本はこう売りたい」という意向を反映している部分も大きい、とか。


出版社は本を作る編集の人より営業の発言力が強く、営業が部数を決めてしまうので、編集や作家が「これは絶対売れる」と盛り上がっても、初版の部数が少なすぎて結局売れない、ということも多いとか。
いくら書店が「この本を置きたい」と思っても、出版社の意向が強いので回してれない本がある、とか。

20坪の書店ではやっていけないので、どんどん書店は大型化している、とか。



(すいません、人の写っている写真はこれしか撮っていませんでした)



私なら、20坪で書店をやるならどうするかなあ。
5坪は売れ筋の雑誌を置いて、5坪はモノクロの写真集の専門店、10坪は立ち飲みカフェ、ってのはどうだろう。

  


Posted by しぞーか式。 at 09:28Comments(4)しぞーかで考える