2009年10月17日

つぶやきのかなたに。

実は、夏まえごろから、ツイッター(Twitter)をはじめている。

最近ではニュースなどにも登場したりしているので、気になっている方もいるかと思う。
You-Tubeのニュースをまとめたサイトもあるので、関心のあるかたはぜひ。)

まずは一般的な説明をしておくと、3年前にアメリカで始まった、文字制限が140字の「ミニブログ」だ。字数が少なく、パソコンやiPhoneなどから手軽に「つぶやける」。
そして、ファッション、食、経済情報など、自分が気になる分野に強い書き手を探して登録する(フォローという)と、彼らのつぶやきがリアルタイムで読める。
今年から日本語サービスが始まり、先日は日本のケイタイからも使えるようになり、いよいよ注目を集めている。

実際のところ、テレビで「140文字のミニブログ」とか、「おなかが減ったとつぶやくメディア」、「全く新しいコミュニケーションの形」、とかいわれても、何が面白いのかぴんとこないのではないだろうか。

当然だ。実のところ、ツイッターの魅力は、そういうところには(さほど)ない。


本当に面白いのは、まず、ミクシィやブログなどの旧来のウエブメディアに比べて、他者との関わりがさらに「浅い」こと。

そして、お次は情報の圧倒的な量だ。実際に利用者を見てみると、お気に入り筆者のフォローを、何百人、何千人とやっているユーザーも少なくない。

こんなにフォローしていると、当然ながら、短い時間でもたくさんの投稿が集まってしまい、全て目を通すだけ大変だ。実際、登録した全ての筆者のコメントをいちいち読まない人も多いと思われる。

そういうわけで、実際にツイッターで投稿し、読むユーザーの多くは、「誰に読まれているか判らない」「返事が来ないのが前提」「たまたま誰かが読んで、返信してくれたらラッキー」ぐらいの軽い認識で書いており、この図抜けた気楽さが大きな特徴だ。


しかし、私が、本当にツイッターが面白いと感じ始めたのは、おおぜいで一つの体験をつぶやきあう、という場面を目にしたとき。
実は、先日の静岡の地震のときのことだった。

発災直後は残念ながら全くツイッターに触る余裕がなかった。
なので、これはあとで検索してわかったことなのだが、様々な人が自分の身近な被害についてツイッターで語っていた。そして、その報道を見た感想や、応援の声かけも、(おそらく)県外からも多数集まっていた。
これを見て、私は、一人ひとりが発することのできる情報量は少ないけど、「共通な体験についておおぜいが語る」ことができる、面白いメディアだなあ、と感じたのだった。
その意味で、私がツイッターと出会ったごくごく初期に、静岡地震を経験したのは、とても意味があることだった。

(余談だが、、、、
これが、ちょっと抽象的な話になると、どうしても何かを叩いたりするような単一の反応になって面白くない。
例えば、鳩山政権についてとか、金融政策とかを見ていると、誰か強烈な一言やキャッチコピーを言ったとたん、それに流されて会話が整理されていってしまい、よくネットで見るような、カゲキだけど底の浅い議論に落ちてしまうことも多い。
おそらく、メディアの性格的に、抽象的なことを論じたり、何かを結論が出るまで議論したりする場としては向いていないのだろうと思う。
以上、余談終わり)



さて、今日も加藤和彦さんがなくなったニュースがあり、私はこれを2時ごろにツイッターで初めて知った。速さから言えば、もちろん、1時にトクダネとして放送したNHKが一番早い。

だけど、テレビを見ていない人たちの間では、こうした速報は、むしろツイッターを通じてささやかれ、すばやく広がっていった。
こうした、速報と言う意味でも、ますます意味が出てくるだろう。
信憑性をうんぬんされる向きもあるかもしれない。確かに、ショッキングな誤報が広がりやすい傾向はある。(ハリーポッターの「ハーマイオニー」死亡説など。)しかし、それが誤報とわかるやいなや、修正の140文字が飛び交うので、一般レベルのネットリテラシーをもっている方なら、さほどストレスを感じずに情報を捌いていけるのではないかと思う。

さらに、毎日新聞や、海外の新聞メディアも、ツイッターを使ってニュースを配信し始めている。
とりあえず第一報的な一行ニュースはツイッターで読み、より詳しく知りたいときは、その下に書いてあるURLから新聞社のニュースページへ飛ぶ、という形式だ。
とにかく、旧メディアとのすみわけも含め、かなり流動的なので、今後どうなるかとても楽しみなところではある。


さて。
最初に紹介した、ユーチューブでのニュースでは、コメンテータがみな「私はやったことがありませんが」と一様に言っていて、面白かった。
こうして文章に書いてみて改めて思ったのだが、ツイッターの面白さは、ある期間やってみないと、どうにもわからないようになっている。そして、文章や形にして見せるのも難しいタイプの面白さなのだ。

テレビという、即物的で目に見える形で提示しなければいけないメディアでツイッターを紹介する苦労も、今日書いてみて、改めて実感した。

うーん、うまくこの面白さの一端を伝えられたとは思わないけど、今日はこのへんにしておこう。



最後に。
実際のところツイッターの面白さは、「誰をフォローするか」、でほぼ決まる。基本的には、自分が面白いと思った人が誰の記事を読んでいるのか、を読んで、自分のお気に入りの人を見つけていくことになるのだが、これが意外と大変なのだ。
ここが、もっと効率的にできれば、本当の爆発が起こるのでは、と思っている。



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Posted by しぞーか式。 at 22:17│Comments(0)しぞーかで考える
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