2010年05月24日
ラーメンとガクラン

ラーメン通の友人に勧められて、評判のラーメンを食べてきた。
このラーメンはすごくおいしかったのだけど、私は正直言ってそんなにラーメン好きではない。特に、最近のラーメンは。それは、なんとなく、スペック主義、みたいなのが仄見えるからだ。
昔、中学生だった頃、不良っぽい学生服(いわゆる「ガクラン」)のカタログを見るのが好きだった。
詰襟のエリが、グレードによってどんどん高くなっていき、いちばん高い(=ワルい)制服だと顔が半分ぐらい隠れるどでかいエリだったのとか。あと、裏地に龍とか虎とかの刺繍がついていたり。「ドカン」とかいう名前の土管のようにひたすら太いズボンとか。
当時、学校で抜き打ち服装検査みたいなのがあった。私はごくごく標準的なズボンをはいていたので(自分で変わった学生服を着ることには全く興味がなかった)、よく友人が、「ちょっと貸して」と、服装検査の間だけ、私とズボンを履き替えたりしていた。そうして履いてみると、ズボンの片っ方に両足が入るぐらいの太いズボンだったので、実際履いて見るとズボンの中で足が泳ぐ。すごく新鮮な履きごごちだったのを思い出す。
中でも笑ったのが、タック入りズボン。タックというのは、ズボンの腰の辺りに余裕をつけるためのプリーツ(?)なんだけど、当時学校の決まりではタックなしか1タックまでしか許されていなかった。そうなると、当然、タックの数が多いほどワルいズボンということになる。
んで、12タック(24本のプリーツが入っている)のズボン、なんてものがあって、そこまでいくと袴と言うか、プリーツスカートみたいになっていたのだった。
このあたり、スペック主義の陥穽というか、数字で他を引き離そうとすると、どんどん服として超自然的なものになっていくわけである。
、、、、。
いや、全てのラーメンが「12タック」みたいにガラパゴス進化していると言いたいわけではないし、そういう超自然的な努力をしたラーメンがおいしくないということでもない。
いや、正直な話、実際においしいことも多いのだから。
でも、どうも、魚粉を◎グラム使ったり、◎日煮込んだトンコツだったり、◎を入れた(入れない)麺だったり、、、、そういう、クレジットが先行すると、食べるときもそのクレジットを「確認する」姿勢で食べざるを得ないのが残念な気がするのだ。
こういうスペック主義のものは、エクセル処理に向いている。
スープや麺や、温度やチャーシューなどなどをパラメータで記録することができるし、場所、価格をあわせればデータベースへの収まりがたいへんによい。というか、むしろそういう風に楽しむものだという気すらする。このあたり、ワイン通ととても通じるものがあると思う。
ラーメンという「ウツワ」が、そういう様々な工夫を受け入れて、それぞれおいしく味わわせてしまう、おくの深い「ウツワ」だということなのだろうけど、とりあえず私はそれには乗りたくないな、という、、、、。
なんだか、今日はおじさんの愚痴になってしまった。
Posted by しぞーか式。 at 00:03│Comments(0)
│しぞーかを味わう