2010年04月04日
タクシーで人生相談

3月末、京都の上賀茂神社に行ったときの写真。枝垂桜が満開だった。

同じく3月末、木屋町の夜桜。今日あたり、散りまくってきれいなんじゃないかな。
さて、昨日の、京都のタクシー話の続き。
実は、この日乗ったタクシーは、4台中3台がはずれ。
1. 道をごまかして遠回り(一方通行とか混雑のせいじゃないと思う。地図を見ているのに気づくと焦っていた)
2. 言葉遣い乱暴、ドアを閉めるとき(もしかしたらわざと?)客にドアをぶつける
と来て、3台目が昨日書いた「罵詈雑言タクシー」だったので、ちょっとうんざりしていた。
こういう日の翌日って、もうタクシーに乗るのも恐くなるわけだが、そうもいかず、またしてもタクシーを拾った。
今度の運転手さんはすごく話しかけるタイプだった。いろいろ桜の名所を教えてくれたりして、人懐っこくてわりといいかな、と思い始めた頃。
「ところで、みなさんはご家族ですか?ご結婚は?実家からは離れて暮らしてますか?」
などなど、かなり深めにプライベートに踏み込んできた。
(はあ。)
心の中でため息をつきつつ、雰囲気を壊さないように受け答え。
しかし、道中も半分を過ぎると、なんだか風向きが変わってきた。
だんだん、こっちのプライバシーに突っ込まなくなってきて、運転手さん自身の話になってきたのだった。
「京都のタクシーは、台数が多すぎて飽和状態なんですわ。」
「運転手の稼ぎで子供を学校にやろうと思うと、かなり長時間がんばらないと辛い。」
「だから、みんなギスギスしてますよ」
「でも、自分にはこの仕事がむいていると思うから、がんばってますけどね。」
・・・・・
そうか、、京都の運転手さんも大変なんだな。。。。
昨日の問題タクシーにも、少し同情する気持ちになった。
などと運転手さんの話を聞くうちに、今度はさらにヘビーな話になってきた。
「タカシ(仮名)がね、子供をかわいがらんのですわ」
???タカシ(仮名)って誰?
解説なしで登場したタカシに、車内のみんな、きょとん。
しかし、聴いているうち、娘さんの夫であることがわかった。
これこそ運転手さんのプライベートなことなので、詳細は省くけれど、いったんダメになりかけた娘家族が、これからやり直そうというタイミングで、けなげで可愛い孫もいるから大丈夫とも思うけれども、でもお父さんとしては心配でならない、という話。
もう、こちらはひたすら聞き役。
一を答えると、十返ってくる。
車を降りた私たちは、明るいうちの思いっきりヘビーな話に、ちょっとアテられてしまって、ホテルでお茶を飲んでやっと一息ついた。
こうして、みんなで話した結論。
つまり、最初に私たちの家族に振っていた話は、運転手さん的には伏線だったのだ。
お客さんに、ちょっと踏み込み気味に話をして、それでも引かずにきちんと聴いてくれる人と出会ったので、嬉しくて話が止まらなくなったんだよ、と。
ちなみに。
このあと、ツイッターで、京都のいいタクシー教えてください、と聞いたところ、MKタクシーを勧められた。
実際、台数があってすぐ捉まえられるし、近距離でも嫌な顔一つせずに連れて行ってくれる。
この教育のされ方を見て、以降は全てMKタクシーにしたのだが、全くトラブルもなく、いい旅になった。
娘の悩みを打ち明けてくれる運転手さんも、ちょっといい思い出にはなったんだけどね。
Posted by しぞーか式。 at 21:04│Comments(0)
│しぞーかの外で思う