2010年03月28日
放課後に、こっそり。
気がついたら、2,3日前にこのブログも1周年を終えていました。
祝おうにも、まさにあとの祭り。
これからも、ぼちぼち続けていきますので、気が向いたらまた遊びにきてください。
さて、春の嵐の中で始まった、スノドカフェ『本日休講(その2)』に参加してきた。
清水の「出会い系」カフェ&ギャラリー、スノドカフェは、たくさんのおもしろい企画を連打している。音楽会あり、展覧会あり、また、講師をまねいての、アート関係の講義や討論会あり。
『本日休校』も、そうしたスノド新企画の一つ。これは、「講義が突然休講になってしまった時に、先生のいない場で学生が自由に話す」、という状況設定の下、「アート(にちょっとカスる)話ならなんでもあり」の、フリートーク企画だ。

天気のせいもあって、今回集まったのは7人(だったかな)。少人数の中で、あいかわらず濃い会話が進められた。
三々五々集まったメンバーが、気になるキーワードを、付箋紙に適当に書いていく。決まったテーマはなし。
普通の講義と違い、詳細なノートが取れていないのだけれど。
これは考えればあたりまえで、講師が一方的にしゃべっているのではなく、自分もその討議に参加しているからだ。
議論はたゆたう。
そして、頻繁で唐突な話題転換。
こんなものが面白いのか、と思われる方もいるかもしれないが、これが、実に面白いのだ。たぶん、付箋紙にキーワードを残して、それをチラ見しながら、話がいったりきたりするという流れが面白いのかもしれない。遠くへ拡散しそうになった話が、しばらく前に出ていたキーワードに呼び戻されて、急に話の見通しがよくなったりする。
まるでパンくずを落としながら森に分け入っていくヘンゼルとグレーテルみたいだ。

そういう長~い会話の後に、だんだん自分たちがなんの言葉を巡って話していたのか、あとで判ってくる感じが、これまたスリリングだった。
今回見えてきたのは、「ヴァキュラー」というキーワード。
ヴァナキュラー、というのは、かなり定義がめんどくさい言葉らしく、私も議論の中ではよくわからなかった。
いろんな意味があって、
語学用語・・・教師からしっかりと体系的に学んで「いない」ため、その土地の言葉に影響され変質した言葉。(ピジンとかクレオールみたいなもの??よくわかってません)
建築用語・・・土地の風土にフィットする固有の建築様式。先住民の住居など。
写真用語・・・美術作品という意図なく撮影されてきた写真。遺影とか、記念写真とか。
というわけで、上記の三つがともに「ヴァナキュラー」という言葉でくくられるのがまだぴんと来てないし、それぞれの分野での使われ方も、なんとなくクリアーに見えてこない。
いまだよくつかめていないのだけど、土地固有の、土着の、ということの意味を問い直し、アートの領域を広げるという動きの一つだと思う。
以前からスノドカフェでは「サイトスペシフィック」という概念がよく話題になっていた。これは、「静岡にいてアートは可能か」という、スノドカフェでは通奏低音のように奏でられるテーマとリンクしてしているからだ。
サイトスペシフィックというのは、やはり土地固有のものと結びつくのだけれども、普通言われるのは、その土地、その場所に置かれることを前提にして作られるアートをさす、作家目線の言葉。
一方、ヴァナキュラーは、解釈者の方からもともとあったものに意味づけを与えるための言葉といえる。
サイトスペシフィックも、ヴァナキュラーも、土地、風土と言うものに深く結びついた概念であることは共通している。
今回の『本日休講』は、
「朝カフェの意味」・・・いつもと違う時間に、いつものことをやる
「ガンダム茶会」
旋回教徒とテクノの関係とか
http://www.youtube.com/watch?v=S45OJnQp6mI&feature=player_embedded
十分に話が拡散して、とても楽しかった。でも、中でいちばん驚きうなづいたのは、中央で活躍する静岡出身者は、どこかたがが外れている、という話。

おだやかな気候風土の中で、愛されて育ったせいか、グロテスクなもの、奇妙なものへ物怖じせずに近づいていくところがみんな共通しているのではないか、という話。
これは、指摘されてはっとした。
静かな狂気、いや、しぞーかな狂気、か。
これはまさにそうかも知れない。
祝おうにも、まさにあとの祭り。
これからも、ぼちぼち続けていきますので、気が向いたらまた遊びにきてください。
さて、春の嵐の中で始まった、スノドカフェ『本日休講(その2)』に参加してきた。
清水の「出会い系」カフェ&ギャラリー、スノドカフェは、たくさんのおもしろい企画を連打している。音楽会あり、展覧会あり、また、講師をまねいての、アート関係の講義や討論会あり。
『本日休校』も、そうしたスノド新企画の一つ。これは、「講義が突然休講になってしまった時に、先生のいない場で学生が自由に話す」、という状況設定の下、「アート(にちょっとカスる)話ならなんでもあり」の、フリートーク企画だ。

天気のせいもあって、今回集まったのは7人(だったかな)。少人数の中で、あいかわらず濃い会話が進められた。
三々五々集まったメンバーが、気になるキーワードを、付箋紙に適当に書いていく。決まったテーマはなし。
普通の講義と違い、詳細なノートが取れていないのだけれど。
これは考えればあたりまえで、講師が一方的にしゃべっているのではなく、自分もその討議に参加しているからだ。
議論はたゆたう。
そして、頻繁で唐突な話題転換。
こんなものが面白いのか、と思われる方もいるかもしれないが、これが、実に面白いのだ。たぶん、付箋紙にキーワードを残して、それをチラ見しながら、話がいったりきたりするという流れが面白いのかもしれない。遠くへ拡散しそうになった話が、しばらく前に出ていたキーワードに呼び戻されて、急に話の見通しがよくなったりする。
まるでパンくずを落としながら森に分け入っていくヘンゼルとグレーテルみたいだ。

そういう長~い会話の後に、だんだん自分たちがなんの言葉を巡って話していたのか、あとで判ってくる感じが、これまたスリリングだった。
今回見えてきたのは、「ヴァキュラー」というキーワード。
ヴァナキュラー、というのは、かなり定義がめんどくさい言葉らしく、私も議論の中ではよくわからなかった。
いろんな意味があって、
語学用語・・・教師からしっかりと体系的に学んで「いない」ため、その土地の言葉に影響され変質した言葉。(ピジンとかクレオールみたいなもの??よくわかってません)
建築用語・・・土地の風土にフィットする固有の建築様式。先住民の住居など。
写真用語・・・美術作品という意図なく撮影されてきた写真。遺影とか、記念写真とか。
というわけで、上記の三つがともに「ヴァナキュラー」という言葉でくくられるのがまだぴんと来てないし、それぞれの分野での使われ方も、なんとなくクリアーに見えてこない。
いまだよくつかめていないのだけど、土地固有の、土着の、ということの意味を問い直し、アートの領域を広げるという動きの一つだと思う。
以前からスノドカフェでは「サイトスペシフィック」という概念がよく話題になっていた。これは、「静岡にいてアートは可能か」という、スノドカフェでは通奏低音のように奏でられるテーマとリンクしてしているからだ。
サイトスペシフィックというのは、やはり土地固有のものと結びつくのだけれども、普通言われるのは、その土地、その場所に置かれることを前提にして作られるアートをさす、作家目線の言葉。
一方、ヴァナキュラーは、解釈者の方からもともとあったものに意味づけを与えるための言葉といえる。
サイトスペシフィックも、ヴァナキュラーも、土地、風土と言うものに深く結びついた概念であることは共通している。
今回の『本日休講』は、
「朝カフェの意味」・・・いつもと違う時間に、いつものことをやる
「ガンダム茶会」
旋回教徒とテクノの関係とか
http://www.youtube.com/watch?v=S45OJnQp6mI&feature=player_embedded
十分に話が拡散して、とても楽しかった。でも、中でいちばん驚きうなづいたのは、中央で活躍する静岡出身者は、どこかたがが外れている、という話。

おだやかな気候風土の中で、愛されて育ったせいか、グロテスクなもの、奇妙なものへ物怖じせずに近づいていくところがみんな共通しているのではないか、という話。
これは、指摘されてはっとした。
静かな狂気、いや、しぞーかな狂気、か。
これはまさにそうかも知れない。
Posted by しぞーか式。 at 21:41│Comments(8)
│しぞーかでアート
この記事へのコメント
しぞーか式さん、こんばんは!
漫☆画太郎先生の珍遊記がすきだったので、コメントを入れさせてもらいます。静岡出身とは存じませんでした。とてもうれしいです。いいことを知りました。ありがとうございます。
野田努というひとを知らなかったのですが、いま調べたらremixのひとなんですね、こちらの方も以前うわさに聞きました。
えんどうまめ先輩、以前しりあがり寿さんにお会いしてお話したことがあるのですが、とても頭のいい方でした。ご本人は常識と気配りがあってとてもやさしいという印象です。漫画とのギャップは感じませんでした。
チョットまえに、森美術館の「医学と美術展」で松井冬子さんの絵を見ましたが、かちーーーっとしていて、つまらないと思いました。狂気はなにも感じませんでした。どんな絵だったか、もう思い出せません。
漫☆画太郎先生の珍遊記がすきだったので、コメントを入れさせてもらいます。静岡出身とは存じませんでした。とてもうれしいです。いいことを知りました。ありがとうございます。
野田努というひとを知らなかったのですが、いま調べたらremixのひとなんですね、こちらの方も以前うわさに聞きました。
えんどうまめ先輩、以前しりあがり寿さんにお会いしてお話したことがあるのですが、とても頭のいい方でした。ご本人は常識と気配りがあってとてもやさしいという印象です。漫画とのギャップは感じませんでした。
チョットまえに、森美術館の「医学と美術展」で松井冬子さんの絵を見ましたが、かちーーーっとしていて、つまらないと思いました。狂気はなにも感じませんでした。どんな絵だったか、もう思い出せません。
Posted by えんどうまめ先輩
at 2010年03月28日 22:19

松井さんについては全く同じ意見が頻出してました。
私は作品を生で見ていないので、態度保留中です。
とりあえず、迂闊に話題にしてはいけない作家さん、という棚に入れてあります。
私は作品を生で見ていないので、態度保留中です。
とりあえず、迂闊に話題にしてはいけない作家さん、という棚に入れてあります。
Posted by しぞーか式。 at 2010年03月29日 07:01
しぞーか式。さん、初めてコメントさせていただきます!
えんどうまめ先輩のブログから飛ばさせていただいてます。「ふくい南青山291」に行きましたという話をじぶんのブログに書く際、おなまえ出させていただきますというご挨拶でした。
が、気になる記事をたくさん書かれてらっしゃいますね。。。画太郎先生は好きですし、スノードールさんはこのまえ伺ったところですし、というか、いろいろ考えさせられました…今も考え中です。
またちょくちょくおじゃまさせてください!
えんどうまめ先輩のブログから飛ばさせていただいてます。「ふくい南青山291」に行きましたという話をじぶんのブログに書く際、おなまえ出させていただきますというご挨拶でした。
が、気になる記事をたくさん書かれてらっしゃいますね。。。画太郎先生は好きですし、スノードールさんはこのまえ伺ったところですし、というか、いろいろ考えさせられました…今も考え中です。
またちょくちょくおじゃまさせてください!
Posted by 半ドア at 2010年03月30日 12:17
最高でした^^
日頃,知的な(?)事象について,
しゃべり足りないメンツが集まってきているように感じたのは,
私だけでしょうか??
「オラオラオラオラァ!」と,
とかく健康的に過ごせる,このような会は,
月に1回とは言わず,2回あってもいいんじゃないかと思いました.
そのほうが,頭にシゲキックスなので,欲望が渦巻き・・・
やっぱ健康的です^^
次回が楽しみです.
日頃,知的な(?)事象について,
しゃべり足りないメンツが集まってきているように感じたのは,
私だけでしょうか??
「オラオラオラオラァ!」と,
とかく健康的に過ごせる,このような会は,
月に1回とは言わず,2回あってもいいんじゃないかと思いました.
そのほうが,頭にシゲキックスなので,欲望が渦巻き・・・
やっぱ健康的です^^
次回が楽しみです.
Posted by FLOY at 2010年03月30日 17:38
半ドアさん、コメントありがとうございます。
私がこのブログを書いているのは、自分が考えたことを言葉にしたいからです。漠然と思っているだけだと、自分ではイイつもりでも実は漠然としていることが多いのです、誰かに話せば、自分でもばかなことを言ってるなあ、とかがわかるので、自分の中でフォーカスが絞れてきて面白いのです。
なんとなく好きだ嫌いだと印象を内輪で言っているだけだと、進歩がない気がして。
FLOYさん、
コメントありがとうございます。
この集まりは、知的っぽいこと、気の効いたこと、から超えた場になるといいですね。
生産的である必要はないのですが、自己充足的だとすぐ飽きちゃいそうで嫌です。
書いているだけなので、
私がこのブログを書いているのは、自分が考えたことを言葉にしたいからです。漠然と思っているだけだと、自分ではイイつもりでも実は漠然としていることが多いのです、誰かに話せば、自分でもばかなことを言ってるなあ、とかがわかるので、自分の中でフォーカスが絞れてきて面白いのです。
なんとなく好きだ嫌いだと印象を内輪で言っているだけだと、進歩がない気がして。
FLOYさん、
コメントありがとうございます。
この集まりは、知的っぽいこと、気の効いたこと、から超えた場になるといいですね。
生産的である必要はないのですが、自己充足的だとすぐ飽きちゃいそうで嫌です。
書いているだけなので、
Posted by しぞーか式。
at 2010年03月31日 21:08

言葉足らずでしたが、今のところはすごくうまくいっていて、だからこそうまく定着させたいなあと思っています。
Posted by しぞーか式。
at 2010年03月31日 21:16

>知的っぽいこと、気の効いたこと、から超えた場になるといいですね。
確かに.
タコ壷自己満になるのは,避けたいですね,
まあ,刺激に正直な健康なハイエナ(?)でいきたいです.
では,また次回に.
確かに.
タコ壷自己満になるのは,避けたいですね,
まあ,刺激に正直な健康なハイエナ(?)でいきたいです.
では,また次回に.
Posted by FLOY at 2010年03月31日 21:30
スノドカフェの主もおっしゃっていましたが、、、、
参加者それぞれが見聞きしてきたことをテーブルに載せる。
会が終わったらそれぞれの世界へ戻る。
また一月たったら、その間に見つけたものをテーブルに載せる、、、、という往復運動の場になるといいですよね。
またお会いできるのを楽しみにしています。
参加者それぞれが見聞きしてきたことをテーブルに載せる。
会が終わったらそれぞれの世界へ戻る。
また一月たったら、その間に見つけたものをテーブルに載せる、、、、という往復運動の場になるといいですよね。
またお会いできるのを楽しみにしています。
Posted by しぞーか式。
at 2010年04月02日 08:29

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