2013年05月18日

壁越しのためいき

ちょっと旅行記は小休止して、このバンコクの宿で出会った日本人の話をしましょう。

といっても、顔もよく知らない人です。

バンコクに着いた初日、隣の部屋の携帯のけたたましいコールで目が覚めてしまいました。ホテルの壁が薄いので、話声がものすごくクリアーに聞こえてしまうのです。
カタコトの英語で、たぶんタイ人らしき友人と延々話しています。
その友人が、どうやら今から飲まないかとしつこく誘っていて、それをなんとか断ろうとしているようなのです。

「あと5日で帰るんだ」「明日は**という街にいかなきゃいけないから、今日は眠らなきゃ」「いや、運転していくから、寝ないと事故をおこしちゃう」などと、延々行けない言い訳をしていますが、相手が納得しない様子。

次の夜も、今度はちょっと関西なまりの日本語ですが、同じような話をしているよう。この電話で、隣の人が長期滞在の日本人だとわかりました。
たぶん、1月ぐらいのスパンで、何度もタイに遊びに来ているようです。

この日の電話は、たぶん、ある知り合いの電話番号を教えてくれ、と言われて、知らないと言い続けているけど相手が納得してくれない、みたいな会話でした。

バンコクを出る前の日、部屋に入るときにちょうどすれ違って、「日本人ですか?」と聞かれたので、一応「はい」とは答えたんですが、結局それっきり、顔を合わせたのもこの時だけだったのですが。

この日なのか別な日なのか、忘れましたが、深夜、私が夢うつつのなかで、隣から「ふ~~~~っ」という、深いため息が壁越しに聞こえて、とても寂しい気持ちになったのを覚えています。

タイで独り暮らしで、お金もそこそこあって、夜はいろいろ飲み歩いて友達もできて。
でも、そんなふうに自由でしがらみがないふうに暮らしているように見えて、実は、結局そういうしがらみを、(もしかしたらこっそり求めて?)、こんな深夜の電話をするのかもしれません。


そういえば。
このバンコクの『サラ・デイリー・マンション』で最初に部屋を見せられた時、「寂しい人はこのマンションの屋上に集まってみんなでビールを飲むといいよ」と、宿のサラさんに言われた話をしました。
でも、旅先で慰めあうのもちょっとなあ、、、、と思って、結局酒盛りには参加しませんでした(というか、酒盛りがあったのかも知りません)

でも、バンコクに長逗留すると、そういう気分になることもあるのかなあ。しがらみから離れるのが楽しいのになあ。

私は、旅はひとりでいいや、と思いました。



こういう経験もあって、早くバンコクから出たいと思ってしまったのかもしれませんね。
実は、後でタイの音楽にはまってからは、バンコクで「モーラム」というタイの伝統音楽をかけるクラブイベントがあるのを知り、行っておけばよかったな~、と後悔することになるのですが、、、、、。

壁越しのためいき


タグ :タイ旅行

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Posted by しぞーか式。 at 12:02│Comments(0)タイ旅行
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